左官とは

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左官の必要性

モルタルや壁土といった材料を使って、建築物の床や壁を塗り固めていくのが左官工事です。手にしたコテを自由自在に動かして、壁を塗っていく職人の姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。一般的に左官工事というと、建築物の表面部分の仕上げを担うイメージが強いかもしれませんが、実際には壁の基礎となる下地造りが多くを占めています。
左官工事の仕事は、大きく次の2つに分けることができます。

下地を造る

壁の下地造りは、建物の竣工時に表に出ることは少ないものの、これがなくては壁造りが成り立たない重要なプロセスです。仕上げがペンキやタイル張りの場合などは、仕上げを活かすための下地造りのみの作業になる場合もあります。
この作業において左官工事は、床や壁の耐久性を高める重要な役割があります。下地造りは、壁や床の仕上がりを左右する重要なポイントです。仕上げにどれだけ良い材料を使っても、下地の出来が良くないと、ひび割れなどの欠陥が生じてしまいます。

仕上げ塗り

仕上げ塗りは、壁などの表面を塗って仕上げる作業です。土壁や漆喰壁の場合は、下地を造った後で中塗りを重ね、最後に漆喰や珪藻土を使って上塗りを行い、表面全体を仕上げていきます。塗り方によって耐久性にも影響が出るだけでなく、コテの動いた跡がそのまま壁の模様になることもあるため、職人には卓越した技術と芸術性が求められます。
壁や床を美しく仕上げられるのも、左官工事が必要とされている理由のひとつです。職人の技によって造られた漆喰壁や土壁は、見る人が思わずはっと息を飲むほどの美しさ。コテの使い方によって変わる風合い、そしてつなぎ目を感じさせない仕上がりが魅力です。 左官職人が手仕事で塗った壁は、ひとつとして同じ物がありません。住宅の細部までこだわる人、自分たちだけのオリジナルの住まいが欲しい人には、左官工事による壁や床は最適です。
また、左官工事は近年、自然素材に注目が集まったことなどによってその良さが見直されるようになりました。職人が生み出す美しい壁や床は海外からの評価も高く、日本文化を形に残し、職人技を伝えていくという意味でも左官工事は重要です。

習熟までの過程

左官は建築業の中でも育成するのに時間が掛かる職種と言われています。モルタル仕事から仕上げの漆喰など、一通りの仕事を覚えるまでおよそ10年程度経験が必要です。「見て覚える」では時間がかかりすぎるため、お手本を見ながら体を動かして学ぶことで初期段階を短期化することが出来ます。下記は、左官職人として熟練の職人になる前の習熟過程のイメージです。

見習い工

入社し先輩に教えてもらいながら仕事を覚えていく時期です。見習工は仕事内容を覚え、技術力を磨くことはもちろんですが、親方や先輩職人の作業をしやすいように準備・サポートをするというのも重要な仕事です。現場では先輩に付きながら「見て習う」ことで、仕事を覚えていきながら、準備・サポートをすることで仕事の手順や必要な道具、材料も併せて覚えていきます。

取得可能資格 三級左官技能士

技能士

左官工事に主体的に携われるようになります。自身の技術力を持って建築物を創る魅力を感じることができます。技能を磨きさらに上を目指します。

取得可能資格 二級左官技能士

主任・課長

第一線で中心となって働き、自分の腕を磨くとともに、後輩の育成も行う立場になります。そこから現場で職長(責任者)として一つの現場を最後まで任されるようになります。会社の代表として現場を任される立場で、全体を取り仕切ることが出来る職人となります。

取得可能資格 一級左官技能士(国家資格)

基幹技能者・マイスター

最高レベルの専門的知見を身に付け、熟達した作業能力、現場を効率的にまとめるマネジメント能力と知識を備えた技能者です。

取得可能資格:左官技能士特級(国家資格)